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オストメイトのための温泉日帰りツアーを実施!〔KNT〕

KNT-CTホールディングス株式会社

近畿日本ツーリストは旅行に不安を感じているオストメイト及びそのご家族を対象にした、日帰り温泉ツアーを2024年4月1日(月)に実施しました。この4月1日は「障害者差別解消法」の改正が施行された日です。この法律は、事業者による障がいのある人への合理的配慮の提供が義務化されたもので、障がいのある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きる社会(共生社会)を実現することを目指しています。長年、ユニバーサルツーリズムを推進してきた当社は、この改正法の施行に伴い、社会の理解が広く進むきっかけを提供するツアーとして取り組みました。

オストメイトとはさまざまな病気や事故などにより、お腹に排泄のための「ストーマ(人工肛門・人工膀胱)」を造設した方のことです。その要因は直腸がん・大腸がんや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)など後天的なものが多く、その数は全国で約20万人超と年々増加している傾向にあります。高齢化社会の進行とともに、今や誰もがオストメイトになる可能性があり、また内部障がいがある方の悩みは表面化しづらい状況にあります。

オストメイトは常にストーマ装具を装着して生活されているため、「バスや飛行機などの長時間移動の際に便の臭い漏れが気になる」、「温泉入浴したいけれど周囲の目が気になる」等、外出に不安を感じている方が多くいらっしゃいます。今回のツアーはオストメイトが安心して旅を楽しむためのきっかけ作りを目的とし、長年ユニバーサルツーリズムを推進してきた近畿日本ツーリストと、国産唯一のストーマ装具メーカーのアルケア株式会社(以下、アルケア)と連携し、オストメイトの不安を解消し、「温泉を楽しみたい」を実現するツアーを企画・実施しました。

本ツアーでは、不安解消プログラムとして、3つのポイントを特色として謳っています。
【不安解消プログラム①:大浴場であきらめていたゆったり温泉入浴!】

この日は朝、錦糸町駅前から出発し、まずは千葉県木更津市にある龍宮城スパ・ホテル三日月に向かいました。車中では自己紹介の時間が設けられ、それぞれ手術歴や旅への思いなどをお話されました。特に印象的だったのは、温泉に気軽に入れないという悩みを多くの方が抱えていたことです。このような悩みも共有し合いながら思い思いに語っていただき、ご参加者同士打ち解け合いました。龍宮城スパ・ホテル三日月に到着したご参加者は、アルケアが開発した入浴用シール「バスラック®シール」を着用し、足を伸ばしながらお湯につかり、とてもリラックスした様子でした。バスラック®シールは、「装具が目立ち、人目が気になる」、「装具が濡れてしまう」という課題から生まれた製品であり、ストーマ装具の凹凸が目立ちにくい「まだら模様」を採用したシールのため、皆さま思いっきり温泉を堪能できたようです。

【不安解消プログラム②:個人では難しい工場見学と旅仲間との交流!】
【不安解消プログラム③:災害の備えについて学びます!】

午後はアルケアの千葉工場を訪問し、工場見学と災害の備えについて教えていだきました。工場見学では普段つけているストーマ装具がどのように製造されているかの工程に加え、生産者の想いについても深く知ることができ、生産者と利用者が交流する貴重な機会となりました。また製造体験にも挑戦し、完成したパウチにイラストを施すなど楽しんでいただける見学内容でした。「オストメイトのための災害対策」と題した講義では、非常時でのストーマ装具の交換間隔や、避難所の責任者に自身がオストメイトであると伝えることの重要性などを解説され、2024年は元旦から能登半島地震が発生したこともあり、ご参加者にとって関心の高い内容だったと思います。

帰りのバスでは今後、宿泊を伴う旅行や海外旅行も企画してほしいと積極的なご要望をいただきました。
本ツアーはコロナ禍の影響もあり、知り合う機会も少なかったご参加者同士が旅の仲間として過ごしたことで、オストメイト当事者同士の情報交換やコミュニティづくりを後押しする趣旨もありました。

ご参加者の悩みや課題を解決し、ご要望にお応えできるよう、今後も継続的にオストメイトのためのツアーを実施していきたいと思います。

KNT-CTホールディングスグループでは、今後も共生社会の実現に向けて、高齢や障害等の有無にかかわらず誰もが気兼ねなく参加できる旅行やサービスを提供してまいります。