取り組み事例

事業の概要と価値

ポストコロナ期を見据えた、地域の観光サービスの質の向上へ資する取り組み。

事業成功のポイント

インバウンド対応のプロフェッショナルである、全国通訳案内士を講師に登用。

この研修事業は、講師に全国通訳案内士を登用している点が一つのポイントです。高度な語学力のみならず、コミュニケーション、ホスピタリティ、接遇能力等にも長け、さらに日本全国の歴史・地理・文化等の観光に関する質の高い知識と経験を有する、インバウンド対応のプロフェッショナルである全国通訳案内士は、地域の観光人材育成研修の講師には最適な人材。一方で、全国通訳案内士の方々にとっても、コロナ禍においてガイドの仕事が激減している中、この事業における研修講師としての役割は、新たなビジネス展開への好機となっています。
また、研修受講者は、事業開始当初はDMOや観光協会が中心でしたが、令和4年度には、宿泊・飲食・交通・小売事業者等まで対象の裾野を拡大。全国通訳案内士の協力の下、研修カリキュラムや教材・テキストを、訪日外国人旅行者とのコミュニケーションの楽しさや醍醐味を実感していただける実践的かつ実用的な内容にすることで、地域におけるインバウンド受け入れの機運醸成にもつなげています。

事業の効果と今後の展望

今後目指すは、地域へのインバウンドの誘客・長期滞在・消費拡大。

事業開始から3年、これまでの経緯を振り返り北村氏は、「コロナ禍ということで、事業の継続が危ぶまれるような困難に直面することもありましたが、そうした状況を乗り越え、今年度、ほぼ全ての研修を対面で滞りなく行うことができたことは、この事業における一つの成果ではないかと思っています」と話します。
さらに、「これまで、受講者の方々からは概ね高い評価をいただいており、研修教材やテキストについても、時々いただくお問い合わせの声からご高評いただいているのを感じています。通訳ガイドの業界団体さまからも、講師派遣には需要があるというご意見をいただいています」と話します。
そして、今後の展望については、「人口減少が著しい我が国において、観光は、これまでもこれからも、成長戦略の柱であり、地方創生の切り札。観光を通じて国内外の交流人口を拡大させ、地域の活性化につなげていくことの重要性は、ポストコロナ期においても変わりません。地域の観光人材のインバウンド対応能力の強化によって受け入れ環境が整備されることは、今後来たる観光需要の回復期において、訪日外国人旅行者等の地域への誘客や長期滞在、消費拡大につながるものと考えており、これまでの3年間にこの事業で行ってきた取り組みの数々が、それに資することを願っています」と語ります。
※肩書は全て取材当時のものとなります。