取り組み事例

地域と密に連携を取りながら、
芝桜の運営対策事業に携わっています。

印刷用PDF

芝桜の丘

羊山公園の広大な敷地にふわふわの花じゅうたんが広がる「芝桜の丘」。毎年4月中旬から5月上旬にかけて色とりどりの芝桜が春色の景観を描き出し、多くのお客様を魅了しています。近畿日本ツーリストは、9年間にわたり芝桜運営対策事業を実施。円滑で安全な運営を実現しています。

埼玉県秩父市

芝桜の丘

近畿日本ツーリスト株式会社

事業の概要と価値

地元企業の協力を得て、地元に根づいた観光資源へ。

今ではさまざまな地域で春の風物詩として愛されている芝桜ですが、全国に先駆けて13年前にスタートし、話題を集めたのが埼玉県秩父市です。市街地を一望できる羊山公園で、広大な自然のキャンバスに描かれた色とりどりの芝桜。美しい春の風景に誘われ、毎年多くのお客様が訪れています。

しかし当初は、来場者数が予測を大きく超え、深刻な渋滞による市民の皆様からのクレームに悩まされていました。そこで秩父市は、国からの助成金を2年間受けてパーク&バスライドを導入。渋滞解消に一定の効果を得ることができました。

そして助成金が切れる2年後、「地元企業の協力を得て、地元に根づいたイベントにすること」を目指した対策案を、近畿日本ツーリストがご提案。弊社が地元の生の声に耳を傾けていたことから、入札の上ご依頼いただきました。こうして、万博やサッカーW杯などの交通対策で培ってきた近畿日本ツーリスト独自のノウハウも取り入れながら、9年間にわたる事業がスタートすることとなったのです。

  • 多くのお客様でにぎわっている「芝桜の丘」

  • 多くのお客様でにぎわっている「芝桜の丘」

  • 多くのお客様でにぎわっている「芝桜の丘」
  • 羊山公園には「ふれあい牧場」などの見所も

    羊山公園には「ふれあい牧場」などの見所も

事業成功のポイント

パーク&バスライドと運営本部のより良い形を探求し、
円滑で安全な運営を実現。

まず取り掛かったのがパーク&バスライドの再整備です。近畿日本ツーリストも幾度となく現場に足を運び、バスの発着テストなど実地調査を繰り返し実施。現場を深く理解したうえで、効果的な仕組みを構築しました。

市内の中心に位置する羊山公園にマイカー客が向かうと、大渋滞につながってしまいます。そこで、市内に車を入れないように、数キロも離れた市場や小学校に臨時駐車場を設置。看板を駆使してここへ誘導し、無料シャトルバスに乗り換えて羊山公園へと移動してもらう流れを、円滑に運営しました。年々渋滞が解消されていくにつれ、クレームも激減。2014年には、なんと「クレーム0件」という成果を挙げることができたのです。

また、羊山公園内に運営本部を設置して運営を一元化。近畿日本ツーリストが手配したディレクターなどのスタッフが常駐し、団体バス予約からクレーム対応までを担うことで、運営の効率化を実現しました。

この運営本部や券売所・仮設トイレなどのプレハブ設置、そして看板の設置・管理などは、地元企業に協力をお願いしています。特に高く評価されているのが、警備会社の体制です。埼玉の警備会社と東京の警備会社をマッチング。近隣の観光スポットを紹介できる地元の強みと、大イベントの経験が豊富な東京の強みを融合させたのです。駐車場や無料シャトルバス乗り場には、地元採用の「シルバー雇用」の誘導スタッフも配備。近隣の商店街なども、芝桜期間中に各種イベントを開催するなど年々盛り上がりを見せており、「地元に根づいた芝桜観光」が実を結んできています。

  • 臨時団体バス駐車場

    臨時団体バス駐車場

  • 対策本部のプレハブや、幹線道路の看板も、地元企業の手で設置されている。

  • 対策本部のプレハブや、幹線道路の看板も、地元企業の手で設置されている。

  • 対策本部のプレハブや、幹線道路の看板も、地元企業の手で設置されている。

事業の効果と今後の展望

芝桜を牽引役にして、秩父ファンを増やしていく。

地元の協力を得ながら、渋滞などの課題解決を果たすことは、すべて秩父ファンを増やし、地元に還元するためです。その意味で、非常に高く評価されているのが、「おもてなしの心」をもった警備体制です。

開花期間中に協力をお願いしているのは、普段は道路工事の交通整理をしている地元の警備員。その主な役割は、お客様に事故を起こすことなく安全に過ごしていただくことです。しかし、さらに一歩上を目指し、お客様に対して「いらっしゃいませ」「おはようございます」と明るくあいさつをし、また帰途に着く団体バスには「ありがとうございました」と手を振ることを、警備員に指導しています。遠方から訪れていただいたお客様に、心から満足してお帰りいただくためです。

また、芝桜の他にも、秩父市の魅力はたくさんあります。お客様がそれらに触れる機会を増やすことで、芝桜観光を機に秩父市をもっと好きになっていただきたい。そんな思いから、臨時駐車場と羊山公園をつなぐ無料シャトルバスは、帰り際に市内に立ち寄るようにしています。お客様が一度バスを降り、市内で買い物や食事を楽しめるようにしているのです。

近畿日本ツーリストは今後も、秩父市で培ってきた交通対策や運営の経験を他地域にも応用し、全国の観光地をサポートしていきたいと考えています。

  • お客様にていねいに接する警備員の姿

    お客様にていねいに接する警備員の姿

  • 多くのお客様でにぎわう「秩父路の特産市」

    多くのお客様でにぎわう「秩父路の特産市」

  • テレビでも注目される人気観光スポットに

    テレビでも注目される人気観光スポットに

関東屈指の植栽面積をほこる、秩父の春の風物詩「芝桜の丘」

おわら風の盆を再現した芝桜の丘

埼玉県秩父市のシンボル・武甲山のふもとにある羊山公園。その約17,600平方メートルにもおよぶ広大な敷地に、9種類・約40万株もの芝桜が敷きつめられています。開花時期は、4月中旬~5月上旬。色とりどりの芝桜がデザイン化された春色の景色が、遠方から訪れる多くのお客様を魅了しています。
近年ではテレビなどで紹介される機会も多く、秩父市を代表する観光名所として有名です。芝桜の開花期間中には、芝桜の丘のとなりで「秩父路の特産市」が、町中でも各種イベントが開催されるなど、芝桜以外にも秩父市の魅力にたくさん触れることができます。

PAGE TOP