取り組み事例

大河ドラマ館を誘客と地域活性化の目玉に。

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信州上田真田丸 大河ドラマ館

2016年のNHK大河ドラマは「真田丸」。主人公真田信繁(幸村)と真田一族ゆかりの地・上田市では、市を挙げて「真田丸」を観光の目玉にアピール。その 中核となっているのが、市の中心、上田城跡公園に設けられた「信州上田真田丸大河ドラマ館」です。

信州上田真田丸
大河ドラマ館

【管理運営業務】
長野県上田市・㈱NHKプロモーション・
KNT-CTホールディングス㈱・近畿日本ツーリスト㈱

事業の概要と価値

市を挙げた「真田丸」キャンペーンの中核拠点

2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」は、三谷幸喜氏の脚本により、真田信繁(幸村)の波乱万丈の生涯を描いたストーリーが全国的な話題を呼んでいます。これを絶好の観光ビジネスの好機ととらえているのが、真田家ゆかりの長野県上田市です。真田家の旗印六文銭のぼりやご当地キャラなど、市内は真田丸イメージにあふれています。
 その観光キャンペーンの中核となっているのが、上田市を見降ろす、かつての真田一族の居城上田城があった上田城跡公園内に、期間限定(2016年1月17日~2017年1月15日)で設置された信州上田真田丸大河ドラマ館」(以下、大河ドラマ館)です。
 出演者の衣装やセット、メイキング映像など、NHK大河ドラマの世界を伝えるさまざまな展示がなされたこの大河ドラマ館は、オープニングセレモニーに主演の堺雅人さんがかけつけるなど大きな話題となり、連日、全国から多くの観光客を集めています。
 上田市では大河ドラマ「真田丸」上田市推進協議会を組織し、上田市政策企画局シティプロモーション推進室を中心として大河ドラマ館を運営。近畿日本ツーリストも、個人や団体客の送客を行なうだけでなく、大河ドラマ館の管理・運営をトータルにサポートすることで、グループ各社が大河ドラマ館を中心とした上田市の「真田丸」観光キャンペーンに尽力しています。

  • 信州上田真田丸応援団長 真田幸丸

  • NHK大河ドラマ「真田丸」の衣装を展示

事業成功のポイント

スタッフ採用から日々のオペレーションまでをサポート。

大河ドラマ館へのサポートは、具体的な日々のオペレーション全般に及びます。地元の上田支店から人員を派遣するほか、館の各スタッフはすべて地元人材を採用。スタッフ教育や管理運営など、これまでも各地でNHK大河ドラマ館の運営サポートやアドバイス経験のある近畿日本ツーリストのノウハウが活用されています。
 3月に入って、平日1,500~2,000人、週末は3,000~5,000人の来場者があり、オープンから2か月でその総数はすでに10万人を突破。
春の花見シーズン(上田城跡公園は桜の名所として知られています)からはさらに大勢の来場者が予想され、来場者に不快な思いをさせ ず、ドラマ館を存分に楽しんでいただく施策やオペレーションが求められています。

  • 大河ドラマ館のスタッフは上田支店からの人員派遣や、地元人材にてサポートしている。
    (左:唐澤館長、右:信州上田おもてなし武将隊)

  • 春の上田城跡公園では桜が咲き、桜の名所としても有名

事業の効果と今後の展望

大河ドラマ館を知名度アップの原動力に。

 上田市では「真田丸」を機に上田の知名度を全国へ広めようと大きな意気込み。大河ドラマ館と並行して、真田一族の歴史資料を集めた市立博物館や池波正太郎真田太平記館、また真田一族発祥の旧真田町やゆかりの寺社、別所温泉などをアピールすると共に、案内板やトイレ、駐車場の整備拡充、観光ガイド増員などの受け入れ体制を整えています。
近畿日本ツーリストでも団体客の誘致はもちろん、個人旅行「メイト」においてゆかりの地をめぐる商品を造成し、コンビニエンスストアでもチケットを販売するなど上田市と大河ドラマ館を全国へセールスする他、クラブツーリズムも大河ドラマ館見学を組み込んだ上田・信州観光コースを多数設定し、KNT-CTホールディングス全体で上田市と大河ドラマ館をサポート。「真田丸」の年2016年は、大河ドラマ館を核としたさまざまな集客企画が予定されています。

  • 近畿日本ツーリスト個人旅行「メイト」によるゆかりの地を巡る商品の造成

大河ドラマの世界を再現。「信州上田真田丸大河ドラマ館」

ドラマの中で描かれる真田信繁(幸村)と真田家の世界を再現したテーマ館。ドラマ衣装や小道具、鎧兜の展示から大坂城・真田丸の大セット、ドラマメイキング映像、ス タジオの様子を体感できるヴァーチャルリアリティ体験など、大河ドラマ「真田丸」をまるごと楽しめる館として人気です。

地域からの声

一過性のブームとして終わらせるのでなく、
二度三度と訪れてくれる方を一人でも増やしてゆきたい。

上田市シティプロモーション推進室 室長/小林修氏

志上田市シティプロモーション推進室 室長/小林修氏

上田市シティプロモーション推進室は市への移住定住、ラグビーワールドカップ2019の事前合宿招致、映画・テレビ撮影のロケーション誘致などを行なっていますが、今年の中心事業はなんといっても大河ドラマ館の運営です。
 上田は冬でも雪が少なく晴天が多い土地ですが、今年は1月17日オープンのあくる日に大雪が降ってしまって1~3月厳冬期の集客が心配だったのですが、お陰さまで予想以上の入場者が集まる好調なスタートを切ることができ、「大河ドラマ」効果を実感しています。
 ただ、この効果はこれまでの大河ドラマにゆかりの地域において一過性に終わることが多いと聞きます。一年が過ぎた後もいかに大河ドラマ効果を永く、ゆるやかに持続させてゆくか。大河ドラマ館へ来てくれたお客様に、再度上田へ来ていただくインセンティヴをどう築いてゆくか。それが重要な課題と考えています。
 上田には温泉やおいしい食など魅力がたくさんあり、どちらかといえば「引っ込み思案」の傾向がある上田人も実は「おもてなし」の心にあふれているんです。これを機に観光ボランティアの数も大幅に増やし研修会なども積極的に設けて、観光人を育成する予定です。上田市を全国区の観光地に飛躍させるためにも、この大河ドラマ館の運営管理において旅行会社に加わってもらったことは貴重な経験となると考えています。

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