取り組み事例

　「大きすぎて、形がわからず実感がわかないよ」。墳丘の長さが486メートルと世界最大級の古代墳墓である仁徳天皇陵（大阪府堺市）を訪ねた人の多くが、そうしたもの足りなさを感じていました。
　その課題を解決したのが仁徳天皇陵に隣接する堺市博物館において実施されている、VRを利用しウエアラブル端末メガネ型で見る「仁徳天皇陵古墳ツアー」です。
　この古墳ツアーは、ドローン撮影による上空300ｍからの360°映像や、仁徳天皇陵の全体像や創建された５世紀当時の様子、内部の石棺室などをCGで再現したもの。新しい技術により「見られないものが見られる」という体験は、隣接して実物があるからこその臨場感が味わえます。
近畿日本ツーリストが取り組む運営支援は、体験する来場者がVR体験自体を楽しみ、貴重な文化遺産を知り、豊かな時間を過ごして頂くことにあります。
　そのねらいは、最先端機器を使った高精細の映像を観賞するだけではなく、顧客体験価値を創出すること。近畿日本ツーリストは2015年より「スマートツーリズム（最先端技術×旅）」に取り組んでおり、AR・VRに関するさまざまな制作・運営業務実績と、旅行会社として蓄積してきた多くのお客様との関わりによる経験が、技術を活用した体験価値創出に繋がっていると考えています。
　平成29年8月1日にスタートしたこのツアーを、すでに多くの博物館入場者が体験、空から360°見下ろした仁徳天皇陵の全貌や周辺古墳群の様子などに感嘆の声をあげています。

　その場に立っても見ることの出来ない古墳の全体像や築造当時の情景は「見られないものが見られる」という貴重な体験を提供しています。
専用のウエアラブル端末メガネ型を装着して体感する映像は、ドローン撮影による地上300メートルからの360°実写映像で、円と四角を合体させた前方後円墳という日本独自の形を実感できます。
また、CGによる建設当時の陵の様子や周辺古墳群の風景、立ち入ることができない内部石棺室の模様などもリアルに体感できます。
外国人旅行者を含め、博物館の入場者のほとんどがこのVRツアーを体験しており、ツアー参加者からは臨場感あふれる映像が体験できた、初めて見る空からの視点に感動した、など大きな好評を得ました。