取り組み事例

県と連携してつくる「県内めぐり個人旅行」。
テーマに沿って思わぬ魅力を掘り下げ、
個人旅行の新しい可能性を地域とともに構築する。

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いいじゃん!!神奈川

宿泊を伴った魅力的な県内周遊コースを開発し、全国へ向けてアピールしたい…県のそんなねらいを理解し県と協働してつくりこんだ新しい旅のシリーズ「いいじゃん!! 神奈川」。テーマに沿って県内各所をめぐって新たな観光資源の体験をご提案。神奈川県知事が旗を振り神奈川県との全面共同作業から生まれた34のツアーは「地域掘り起こし」の新しい旅のスタイルです。

いいじゃん!!神奈川

神奈川県・
近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社

事業の概要と価値

観光客を全国から呼び込みたい

「いいじゃん!! 神奈川」は、神奈川県と近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社が連携して商品開発したもので、県内の観光資源をテーマごとにめぐってその魅力を体験する新しい旅です。個人旅行ブランド「メイト」のシリーズとして告知販売しています。

神奈川県は、横浜・鎌倉・湘南および箱根という有名観光地以外のエリア、特に県西部をPRして多くの人を呼び込む構想を進めており、「行ってみたい神奈川の観光魅力づくり企画・開発事業」「地域連携型観光資源開発支援事業」等の取り組みにより健康や自然体験などニューツーリズム素材を開発してきました。たとえば、県内の美しい自然や湖沼、湧水などを取り上げた「水のさと かながわ」などのテーマで県内観光と集客力の強化に取り組んでいます。

その主旨に沿い、県と話し合いのうえ旅行会社の視点から旅のテーマを掘り起こし、県内宿泊プランを含め特別な旅の34コースとして設定されたのが「いいじゃん!! 神奈川」なのです。

事業成功のポイント

県の魅力をテーマで切ってツアー化

「いいじゃん!! 神奈川」では、県の重点施策に基づいて「水のさと」「未病」「ロボット」「自然体験」という4つの旅テーマを設け、「水のさと」ならダムや湧水などの県内水関連施設めぐり、「ロボット」では最先端技術センター、「自然体験」ではマリンスポーツや原生林の散策というように、それぞれテーマに則して県内の施設や自然を取り上げ、それらを核とした周遊コースを設定しました。

県知事自らが積極的に「黒岩県知事おすすめのスペシャルツアー」をプロデュースし歴史的建造物としての県庁を公開したり、横浜・横須賀の地場商店街をめぐったりなどの試みの他、県内パワースポット探索や小惑星探査機「はやぶさ」見学など、ディープな神奈川を体験する趣味性の高いツアーを多様に揃え、テーマごとに専門知識のあるガイドが説明を行うなど、個人の旅では味わえない魅力が満載されています。

事業の効果と今後の展望

個人旅行の新しい可能性を、自治体と協力して生みだす

このシリーズはまた、往復交通+ホテルを提供する、自由度の高い個人旅行ブランド「メイト」の枠に留まらず、専門家の同行、訪問先での体験メニューなど個人旅行の新しい可能性をめざした、新しい旅への挑戦でもあります。

テーマや訪問先、体験メニューの決定に際して県側と幾度も検討を重ね、普段は行けない・行きにくいディープな場所へも行ける、専門ガイドの案内や説明を受けられる、気軽に参加できるといった利便性と手軽さと、個人旅行の自由さとを兼ね備えた、新しいスタイルの旅をつくりあげました。

全国規模で流通網をもつメイトの一環とすることでこのツアー情報は全国へ確実に流通します。「テーマをもって県内をめぐる旅」というこのモデル構築で商品はさまざまに造成でき、テーマに興味ある層も呼び込めるのです。

自治体と協力して、地域の新しい切り口や魅力を発掘しツアー化する。それをメイト商品として全国で告知する…これをひとつのモデルとして全国へ展開してゆきたい。これまでに積み重ねた経験とノウハウを地域誘客の新しい形で生かすためにも、さまざまな自治体とさまざまな連携にトライし、魅力的な商品を開発し実施できるしっかりした体制を築いてゆきたい。それが、近畿日本ツーリストがこの「いいじゃん!! 神奈川」に込めた思いです。

テーマ別に県内各所をめぐる全34コースを設定

地域情報を満載したパンフレット「みちしるべ」

2014年7月23日~2015年1月31日の半年間実施。県内出発県内解散を基本とするツアーで、神奈川県とアイデアを出し合いながら重点テーマに沿った形で県内各所をめぐる全34コースを設定。近畿日本ツーリストの個人旅行ブランド「メイト」のひとつとして全国で告知販売されています。
メイトが「往復の交通+宿泊」の提供を基本とした自由旅であるのに対し、添乗員の同行やバス移動、体験メニューなどを盛り込んだ注目のコースです。

地域からの声

「現地を訪れてもらうことが
最大のPRになる」と観光商品化

神奈川県産業労働局 産業・観光部 観光課/小柴 安弘 主任主事

神奈川県産業労働局 産業・観光部 観光課/小柴 安弘 主任主事

「観光客の70%が日帰りで、首都圏からの来訪が圧倒的」というのが神奈川県の典型的な観光スタイル。それを補う形で宿泊を伴った県内周遊を開発し全国へPRしたいと、県と旅行会社という立場から互いに活発に意見を出し合い共同作業としてできあがったのが「いいじゃん!! 神奈川」です。
考え方のベースは新しい観光資源の開発と活用でした。たとえば商店街を訪れることで町の活性化を、JA販売所では地産農産物の販売促進を、ロボット関連施設の体験で「さがみロボット産業特区」のPRを、水資源施設では水の活用やエコロジーについての啓蒙をといったように、県内の産業や農林水産、先進技術などの現場を「観光」というかたちで体験してもらうことで効果的なPRへつなげようと。34の旅のテーマや訪問先は、なんらかの形で県のさまざまな事業につながっているのです。「観光」には、県のさまざまな課題を解決する横断的な切り口として大きな可能性がある。その可能性をここから試してゆきたいと考えています。

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